KU 神奈川大学 工学部

人生最大の度胸試し 大石 耕作(工学研究科・応用化学領域)

留学先

ポーランドのAGH科学技術大学、Konrad Świerczek教授の研究室で実験しました。この研究室では燃料電池やリチウムイオン電池に使用される材料研究を行っています。また、私が所属する本橋研究室でも扱っている酸素貯蔵材料の研究も行っています。Konrad先生と本橋先生の繫がりから共同研究および国際交流を目的とした留学が実現しました。

研究室について

研究設備はセラミックスの研究で扱われる一般的な装置や器具が揃っており、今回の留学では雰囲気制御炉や高温X線回折装置などを使用しました。また、X線回折や中性子線回折データの解析方法を教えていただきました。研究室の先生方や学生はとても親身になって対応してくれました。昼には近くのお店や学食に行ってポーランド料理のランチを食べながら談笑しました。その他にも、メンバーの誕生日にはみんなでケーキを食べたり、年末には研究室全員でパーティーをしたりいろいろな行事に参加しました。

生活

滞在先は大学内にある寮でした。部屋は8畳程の広さがあり、電子レンジやテレビなどの家電、シャワーやトイレも付いており快適に過ごすことができました。共有設備としてキッチンやランドリーがありましたが、寮の管理人さんは英語がほとんど通じないため、洗濯機の予約など少し苦労しました。寮の正面にはスーパー、周辺にもコンビニや飲食店があり生活する環境は整っていました。物価は日本の1/2くらいで、ものすごい種類のビール (500mL) が100円前後で購入できます。さらに、クラフトビールバーが何件もあったのでビール好きの私には最高の環境でした(笑)。クラクフには日本料理店が数多く存在するため、日本食も食べることが可能です。また、ポーランド料理店も日本人が経営している店や日本語メニューがある店があるので気軽に現地の味を楽しむことができます。

ヨーロッパは格安航空会社 (LCC) の便が数多く就航しており、シェンゲン協定を結んでいる国同士であれば国内線のように移動できるため、フラッと他国へ旅行に行くこともできます。こうしたこともあり留学中に計5ヶ国行くことができ、特にドイツ行きの航空券は900円と破格でした(笑)。

ポーランド料理

ポーランド料理

クラフトビール

クラフトビール

滞在地のクラクフは、日本の京都のような場所で歴史的建造物が多数存在する世界遺産の街です。クラクフ中心部にはヴァヴェル城、周辺にはヴィエリチカ岩塩坑やアウシュヴィッツ強制収容所といった世界遺産があります。滞在期間の平均気温は0℃であったため、とても寒いと感じました。しかし例年よりも温暖であったようで、最低気温が-20℃になることもあるそうです。

ヴァヴェル城

ヴァヴェル城

最後に

3か月と短い期間でしたが、非常に充実した日々を過ごすことができました。しかし、英語をもっと勉強していれば楽しめたという場面が何度もあり、後悔しているところもあります。一方で、実験データについての議論では、私が今まで学んできた化学の知識は世界でも通用するということを実感しました。また、海外での生活を経験したことで、物事に対する見方、捉え方や考え方の引き出しが増え、これからの人生に大きな影響を与えてくれると思います。

本留学にあたって金銭的負担がありましたが、本学の奨学金制度を利用することで負担を抑えることができました。そして、ご協力いただいた先生方をはじめとする皆様にこの場を借りて深く感謝し、お礼申し上げます。